熟成酒の探求

凍結熟成法の開発に成功

 

  • Column

    最近、日本酒にも熟成酒が登場してきましたが、日本酒は本来一年酒。米だけから造った純米酒は四季それぞれの味わいが楽しめます。夏を越したひやおろしは熟成が進んで、まろやかな味と香りは最高の状態。この熟成感はたまりません。ひやおろしは食べ物を美味しくします。こうした熟成した酒に惹かれて来ました。

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    低温熟成では時間がある相当数かかるので、高温熟成にしたらどうかという考えに至りました。高温での短期間熟成を可能にするには、アルコール度数を高めれば良い。その手段が濃縮でした。ベースとなるのは無濾過で無添加、火入れをしない生の純米酒。着想から十年あまり、理想は形となって来ました。

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    醲献は純米酒をゆっくり凍らせてから、水分を抜き取って濃縮してあります。アルコール度数は38度。だから常温での長期保存にも耐えられます。醲献とは濃い酒を献上するという意味で命名しました。熟成されているので、口当たりはまろやか。身体にも優しい。濃縮することで酸度、アミノ酸度が倍加し、水やお湯で割っても味が崩れません。

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醲献の抹茶アイス

抹茶アイスの醲献がけ

醲献は辛口の純米酒をベースに造られていますが、熟成することにより円やかになりコクがあるためアイスクリームとの相性は抜群です。特に抹茶アイスは苦味も加わり抹茶が濃くなったような感じがします。ぜひ味わっていただきたい大人のスイーツです。

熟成酒の系譜

和乃醇の熟成処理は凍結させて、氷と酒に分離し、その後再度両方を合わせます。元の原酒と何ら変わらないようですが、一旦凍らせることにより水の分子の隙間に細長いアルコールの分子が入り込んで、アルコール分子が水に包み込まれた形になるため味に円味が生まれます。新しい酒では水分子とアルコール分子がばらばらに存在しているため、飲むとツンツンした刺激を受けてしまいます。

醲献のお湯割り

醲献のお湯割り

アルコール度数38°と聞くとそんな強い酒は飲めないと敬遠されがちですが、お好みによって水で割ったり、お湯で割ってお召し上がりください。米をあまり磨かずにフルボディのお酒に仕上がっていますので飲みやすい状態までアルコール度数を下げても味が変わる事はありません。和乃醇・特撰和乃醇も水割りやお湯割り、水割りのお燗付けなどでも楽しめます。